11.07.2014

今期アニメの感想

「トライブクルクル」

ストリートダンスというジャンルのアニメなので、個人的にすごい惹き付けられます。
子ども向けの明るい作風、個性豊かなキャラクター、観ている人に自然とダンスに興味を持ってもらえるようなつくりがすばらしい!こんなアニメを子ども達に観てもらいたいよなぁ。
しかし現代は体育の授業でストリートダンスを扱ってくれるんだから、うらやましい限りだ。

絵柄、キャラデザもかなりグッド!サンライズというとガンダムのイメージだけどさすが地力が高い。デフォルメ具合が秀逸!
オープニングで、登場人物がズラーッと出るんだけど、それを見ただけで「このキャラはこんな性格できっとこんな行動をする、こんなポジションのキャラなんだな」というのが分かる。ほぇ~っと感嘆のため息が出てしまった。

ストリートダンスにはいくつかジャンルがあって、「ロック」「ポップ」「ブレイキン」「ハウス」「ヒップホップ」etc…その中のどれ、というわけではなくオールジャンルをミックスして取り扱っていくみたい。
軽くダンスをレクチャーしてくれたりして、TVの前でやってみるのも楽しい。

いいなぁ、ストリートダンス。ミュージックが流れてこれから踊るぜ!ってシーンになるとテンションが上がる。
好きなキャラは、やっぱり主人公のハネルがいいけど、クモがかっこいいかな…。ブレイキンに思い入れもあるし。

気になるところは、ヒロインというか女性の主人公のカノンがあまりかわいく見えないところ。もう少し童顔でもよいのではないだろうか。まぁ、これは好みもあると思うけれど。
ダンスシーンが手描きアニメーションではなく、3DCGなのも残念。このシーンになると、とたんにキャラクターから魂が抜けたように感じてしまう。表情も硬いし。ダンスの動きが、あまりキレやメリハリが感じられずそ~っと動いているように見える。音楽に合わせてダンスの複雑な動きを描くのは大変だから3DCGにしているのだろうけれど、できれば作画で動かして欲しかった。

それでもトラクルは面白いので、これからも観ていくつもり!


「デンキ街の本屋さん」

とりあえず観た第一話で惹き付けられた。
先生のキャラがね…漫画を描いている身としてはリアルで身近で興味を持って見てしまうのですよ。その見た目からは想像できぬほどアツい少年漫画を描いていて、締め切り前にバリバリ描くも…もうやだよーと投げ出したくなるが周りになだめられ助けられ原稿を完成させるというのがかっこいいなぁ。海雄とのこの先も気になるところ。

ゾンビ好きの女の子とか、無口なソムリエとかキャラが個性的でおもしろいからそれだけで観ていられる。「Working!」もそうだけど、こいつらがワイワイガヤガヤしてるの見てておもしろいなーって思えるキャラクターって大事だなぁ。


「甘木ブリリアントパーク」

とりあえず京アニなので押さえておく。
閉園の危機に瀕したテーマパークを、とある高校生が立て直す事になったというストーリー。ムチャぶりの設定と、リアルな経営の裏側を描いているのでこれからどうなるかが素直に気になる。

女の子がかわいいとかいうよりも、西也とモッフルの争いが見ていておもしろい。


「ヤマノススメ セカンドシーズン」

前期から引き続き。まったりした作風なので、前回の富士山登山では何事もなく頂上だやったーで終わると思ったのに、まさかのあおいリタイヤでびっくりした。こんな後味悪く終わるはずもなくまた山にチャレンジしていくこれからが楽しみ。

なんというかこのアニメは口当たりがいいんだよなぁ。作画、ストーリー、キャラクターともクセがなく、山をはじめとしたさわやかな舞台にも癒される。

今回はキャラクターの過去のエピソードを入れたりとさらに掘り下げている。かえでのエピソードはけっこうよかった。
しかしあおいは主人公なのにけっこうグレーな性格だなぁ。幼馴染が何年ぶりかに出会えて明るく話しかけてくれたのに誰だこいつとか言っちゃってるし。
好きなキャラクターはひなた。元気で明るくて快活でちょっとバカだけど勢いのあるところがかわいらしい。


「山賊の娘ローニャ」

宮崎吾朗監督作品と言う事で注目してしまう。番宣もよくやってたしね。

作品の雰囲気は、往年の世界名作劇場のような感じ。「ハイジ」「三千里」「アン」といった、高畑勲、宮崎駿両監督の作風を引き継いでいる。名作劇場ではなかったファンタジー要素が盛り込まれているけれど、テーマは親と子という普遍的なものを扱っているところはやはり名作劇場とも通ずるところ。
男くさい山賊だらけの城で、ローニャの幼い可愛さが引き立つ。今のところマッティスはローニャを溺愛しているが、これからボルカ山賊やビルクの件での対立をどう乗り越えていくかが見どころ。

山賊の生活、ローニャの体験をていねいに描いている。日常の描写を積み重ねていく事が、地味だけれど作品をしっかりと地に足がついたものにしてキャラクターの行動や感情がドラマを生み出していく事を分かっているからだろう。
「コクリコ坂から」は本当によかった。あんなに心に染み入る作品をまた観てみたいと思った。なので「ローニャ」にも期待している。

今回はアニメーションが3DCGとなっている。宮崎駿監督なら絶対にしそうにない試みなので、素直に驚いた。これには賛否両論あるだろうけれど、悪くないと思う。キャラクターデザインの近藤勝也さんの絵柄を見事に再現できているし、黒い描線とアニメ塗りというレンダリングでジブリのアニメを観てきた方達にもさほど違和感を感じることなく観れるようにしてある。
背景は3DCGではなくデジタル作画なんだなーと思ったけれど、これまでと同じポスターカラーでの手描きと知ってびっくりした。画面上では緑の彩度が強く出ていて、いかにもデジタルっぽい感じがしたので。多分加工しているのだと思うけれど、もう少し背景は落ちついた色にした方が画面がしっくりくる気がした。

それでもやっぱり画面づくりはうまい。「コクリコ坂から」では、徹底して望遠レンズを使い、ずっしりと安定した画面づくりをしていた。さすがあれだけの画面を作れるだけあって、どの場面も何も意識する事なくすんなり見れる。

気になるところは、キャラクターの演技とセリフが冗長なところ。観ている人に分かりやすくしているのだと思うけれど、極端に言えば狂言を見ているようなまだるっこしさを感じてしまう。

自分は以前、接客でのお客様の対応の講習会を受けた事があった。元CAの方が講習してくれたんだけど、とても印象的だった事がある。
人は、しゃべる時はゆっくりとしゃべるよりも少し早口なくらいの方が聞き取りやすいという。
「み~な~さ~ま~に~ご~あ~ん~な~い~い~た~し~ま~す~」
「みなさまにごあんないいたします」
この二つを聞き比べると、後者の方がずっとお客様に聞こえやすく通じやすい。なので意識して少し早口でしゃべる事を心がけているそう。

だから、アニメでセリフをしゃべる時もわざとゆっくりしゃべらずにいつもどおりの会話するテンポでしゃべってくれた方がずっと自然に聞こえる。
それを思うと高畑勲・宮崎駿両監督のテンポってすごく気持ちのいいものだったなぁ。セリフだけでなく、アニメーションの動きも。

マッティス山賊のみんなも、今のところただの気のいいやつらに見えるので、それぞれのキャラクターに人格や性格をより強くつけてちょっとした行動にも個性をつけてほしい。
印象に残った、いい動きだなぁと思ったところもあった。ローニャが城でみんなと電車ごっこみたいにはしゃいでいるところや、灰色小人を追いかえす仕草。なんか人間らしさが出ていてよかったなぁ。

「ローニャ」はまだまだ序盤なので、これからゆっくりと観ていこうと思います。