この前、自転車に乗っていて両手離しをしていたら、すれちがったおばさんに「危ないよ」と注意された。
とっさに、「すみません」と声が出た。
その後ちょっと考えてみた。
場所は、団地をつなぐ歩道。自動車は入れない歩行者用の道。幅は5・6mくらい。
それまで坂を登ってきて、ふぅ、と一息ついてゆるい坂を下っているところだった。
ボクの乗っている自転車はある程度前傾の姿勢なので、こんな時両手を離して上体を起こすと息を深く吸えてラクになる。
それで自然とそうしていて、前方のおばさんにも気づいていたので充分に距離をとって道路の端に離れていたのだけれど、注意されてしまった。
こちらは歩行者を見て安全に注意していたし、速度もゆっくりで、両手離しでも自転車の操作にある程度自信があるつもりだ。
でも、歩行者の方にしてみればそんなの全然知った事じゃないのよね。
おばさんも、身に危険を感じて「危ない!!」ではなく、「危なっかしい」と感じたのだと思う。
それと、両手離しですれ違う態度が気に入らなかったのだろう。
こちらにそんなつもりはなくても、その姿ははた目から見ればつっけんどんな態度に見えてしまうんだね。
それにそんな自転車を見れば、「今にもバランスを崩してこっちに突っ込んでくるんじゃないか」と普段より警戒してしまう。
こちらが「両手離しでも慣れてるから大丈夫だよー」とかいう話じゃなくて、お互いが気持ちよく行き来するためのマナーだ。こちらの歩行者に対する配慮が足りていなかった。歩道では自転車よりも歩行者が優先なのだからなおさらね。
そんな訳で、自転車での両手離しは控えるべきだなと感じた。
一瞬の不注意が、自分にとっても相手にとっても痛い傷となる危険を孕んでいる。
日本での自転車は道交法的にグレーゾーンが多く、自動車・オートバイ・歩行者と充分に注意しなければならない。
ボクが道路を通っていてヒヤリとする事があると、決まって思い浮かべる言葉がある。
「おもいやりとゆずりあいの心を持って、交通事故防止に努めましょう。
起こさず、遭わず、事故ゼロ。」
以前に働いていたところで、終業時間になるとアナウンスでこの言葉が流れていた。
初めは「標語みたいだなぁ、ハハハ。」と感じていた。
でも、毎日それを聞いていて自転車で道を走っていると、確かにそうだよなと、少しずつ、確かに身に染みてきた。
道路では、こちらがどんなに気を付けていても理不尽なくらい危ない事がある。
確認もせずこちらに気付かず道路に飛び出る自動車。
車道を逆走してくる自転車。
歩きスマホで前を見ずこっちに突っ込んでくる歩行者。
道いっぱいに広がって避けようともしない集団。
などなど…
こちらが交通ルールを守っていても、そんな災難に遭う事だってある。
事故に遭ってしまってからでは遅い。
そして、こちらも不注意で危ない事をしてしまった事がある。
信号が変わっているのに気付かず交差点を横断してしまったり。
相手が充分に注意してくれていたからよかったものの、反省しなければならない。
いつ相手の不注意に遭うか、いつ自分が不注意を犯してしまうか。
その可能性は常にある。
だから、お互いが気を付けても気を付けすぎる事はない。
「急いでらっしゃるのかな」とおもいやって。
「お先にどうぞ」とゆずりあって。
事故を起こさないよう、遭わないよう気を付けて。
みんながルールを守って事故なく道路を走れる事がありがたい。
道路に出る際は、その事を常に胸に留めておきたい。