めちゃくちゃよかったです!
雪の上を楽しそうにおもいっきり駆けまわるシーンは、動きも音楽もすばらしく感動しました。
雪は元気いっぱいで蛇を腕に巻きつけたり小動物の骨を集めたりして、でもまわりの女の子はそうじゃないみたいと悩んでいるけれど、そのほうがずーっと魅力的でチャーミングだよと微笑ましかったです。
草平と心を通わせるシーンもよかった。風と雨、カーテンを使った演出はすごく効果的ですばらしかった。あの二人の感じ、いいなぁ。というかこの作品の人の関わり方がみんないい。
花のあんなに小さい体と細い腕で子どもの全てを背負い込むその姿にハラハラしてしまうけど、二人のためにどんなことも乗り越えていく母親の強さが伝わってきた。
時間が経つにつれ、あんなにおてんばだった雪はおしとやかに、おとなしかった雨は野生で生きる強さを身につけていくのは意外だった。
もう中盤あたりで充分感動するし胸に響くのでこのお話をどう着地させるのかと思ったけれど最後まで素晴らしかったです!
エンディングのクレジットロールで花の気持ちを歌ったような曲にのせて、ストーリーをふりかえるようにカットが流れて最後の最後まで作品の世界にひたれました。
これはめちゃくちゃいいアニメです!花が主人公なので、ある程度世間に出る苦労を知っている年齢層が最も楽しめるのかもしれないけれど、子どもが観ても伝わるものが充分あると思う。
ストーリーや脚本だけじゃなく、「アニメーション」。動きで感動させられる。
やっぱり細田守監督はすごいです。センスがすごい。こんなにしっかり大衆受けするものがつくれるんだから。「サマーウォーズ」でもいくつも感動する場面があったけれど、あの作品だけ特別だったってわけじゃなかった。
観客の期待に正面からまともに応えてくれる、こんな劇場版アニメは久しく観ていなかった気がする。往年のジブリ映画を観たような満足した気分になりました。
公開されたのは確か2012年夏頃だったような。当時は新聞でテレビで大きく取り上げられていた事を覚えています。
当時、ボクは劇場に足を運ぶまで食指が働かなかった。ネットでは賛否両論が書かれていたし。
でも今回この映画を観てぜひ劇場で観たかったと強く思いました。大スクリーンと音響だとより一層感動にひたることができたと思います。
「パプリカ」
今敏監督の作品。「東京ゴッドファーザーズ」が大好きなので、気になってはいたけれどなかなか観るまでは至っていなかった。気づいたら公開から10年近く経ってしまった。今回やっと観れました。
う~ん、場面場面ではいいところもあったけれどちょっと微妙だったかな…。
押井守監督や大友克弘監督の作品のような、リアルで描き込まれていて映像づくりの作法がきっちりできていて観ているだけで眼福と感じる正確なデッサンの作画はさすがです。慣れてくるとたまに実写映像を観ているような気分になりました。
ただ、ちょとリアル方向へ傾いた感があります。
小鼻や目がしらまでしっかり描き込んでいるし、クセの強い顔つきのキャラクターもけっこう出てくるのでもう少しデフォルメというか美化というかアニメ的に絵面を整えたほうが観客としては受け入れやすかったと思います。
人形が大行進するシーンはすごかったです。音楽も相まってめちゃ盛り上がるし胸にきます。
新聞なんかで「パプリカ」が紹介される時はたいていこのシーンだったなぁ。
この感じ「千年女優」に似ている気がして、今敏監督はこういう現実と白昼夢のような幻想を行き来するようなものが好きなのかな。
中盤は中だるみを感じたけれど、ラストは盛り上がった。相手を倒す過程はなんだかやけに納得できる。
でも、この作品では観客が強く感情移入したり惹き込まれるキャラクターが足りないと思った。
それは主人公のパプリカになりそうなんだけど、意外と登場するのが短いし、千葉と入れ替わったりするし感情の描写は千葉の方が多いし…観客を強く魅了し共感させるキャラクターで引っ張ってくれるとより楽しめたと思う。
しかしこんなものすごい才能をもった監督が若くして他界されたなんて本当に惜しい。
「東京ゴッドファーザーズ」のファンブックで絵コンテの一部を見たけれど、そのままレイアウトになりそうなくらい緻密で丁寧に描き込まれていて驚いた。
亡くなる前に遺書をウェブ上で発表されていたけれど、それも緻密で丁寧な文章だった。
なんだか常人ばなれした感覚をもっていたように感じる。
もっと多くの作品を観たかったとファンとして心から思う。
ご冥福をお祈りいたします。
「ベイマックス」
3月半ばにこの動画を観て、ものすごくおもしろそうだと思いました。
もうこれ何度観ても涙がこみあげてくるんです。
男の子が何かに夢中になって頑張る姿、何か強大な悪に立ち向かう姿。亡くなった兄が遺してくれたベイマックスと少しずつ心を通わせる姿。
めちゃくちゃいいじゃないですか!
「アナと雪の女王」が女の子向けなら、「ベイマックス」は直球で男の子に向けてつくってくれたんだと感じました。
この曲「On Top of the world」が最高に盛り上がる!ヒィアァイアァァァァム!!!原稿中に洋楽メドレーを聴いていたらこの曲が流れて、サムネイルを見て「これベイマックスの曲だったの!?って驚いてそれからベイマックスを観たいと思いました。
それからDVDを早速借りて観たけれど、この動画で期待したほどではなかったのが正直なところです。
映像はきれいだし迫力あるし文句なしなんです。話もひととおりちゃんとつくってあるんです。
でも、予想を大きく上回る驚きやインパクトがなかったように感じました。テンプレートをなぞった…は言い過ぎかもしれませんが、この作品ならではの個性やおもしろさをもっと深く掘り下げる余地があるように感じます。
ヒロやベイマックスはよかったのですが、その他の仲間ヒーローがちょっと違和感でした。なんだろ…「ヒーロー」というより「ヒーローごっこ」に見えてしまった。科学オタクで突出した身体能力がないのにスーツを作って着るだけであんなに活躍できるものなのかと。少年少女がどうにかできることなら大人が黙って見ているはずなくてなにかしら対応をするだろうと。いや、観客としては少年少女が人や世界を救うところを見たいと願っているんだけど、それを納得させるリアリティが欲しかったです。
冒頭のロボットでのストリートファイトは雰囲気出てるしバイク・カーチェイスのシーンはスピードや迫力があったし素直に楽しかった。ゴー・ゴーは自転車のデザインやアグレッシブインラインみたいな動きがかっこよかった。
ヒロとタダシの感情も描いているし、すごくおもしろくなる要素がある。それなのに表面をなぞったような物足りなさを感じてしまう。画面や動きがすごく丁寧に作り込まれているのに惜しいです。
同時上映の「犬とごちそう」の方がアニメとしては楽しめたかもしれない。
基本セリフがないのに犬の動きや表情、背景の描写なんかで喜怒哀楽をうまく表現しているからよく伝わってくる。それで食べ物がとてもおいしそうに見える。アニメ塗りのようなシンプルな画面にしているのに食べ物の質感とか暖かさとかよく出てる。
犬の視点で、飼い主のストーリーを描いていて、犬へ与える食べ物でお互いの気持ちのすれちがいを表現していて…最後は明るい日差しのなかを駆け回る犬をカメラが追いかける画面が喜びにあふれていてよかったです。すがすがしい気分になれました。